照射食品報告書やり直し でたらめな調査をした会社の再調査報告書で審議して大丈夫?
厚生労働省は三菱総合研究所に29,925,000円を支払い「食品への放射線照射についての科学的知見等についての取りまとめに関する調査業務」として、オリジナル文献、世界各国の規制および運用調査、統計資料、食品安全行政として検討が必要と思われる情報の収集、また、食品業者・消費者等へのニーズ調査などを委託し、この調査報告をもとに薬事・食品衛生審議会に諮るとしていました。
三菱総研報告書は遅れに遅れて09年5月22日に厚労省に受理され、6月にホームページに公開されました。(注:この委託調査は08年3月までに提出となっていた)
しかし、報告書には事実誤認や偏った引用と思われる部分が多数発見され、照射食品反対連絡会が申し入れ書を提出しまし、7月9日、9月14日に厚労省と話し合いがもたれました。
厚労省は指摘された問題を認め、三菱総研に再調査を含め報告書を改訂するよう命じました。厚労省のホームページは9月17日に、「現在改訂中」という表記にかわり内容が閲覧できなくなっています。
三菱総研の報告書は厚労省が照射食品推進という前提でつくられました。しかし、厚労省は衆院議員の大河原雅子さんの質問主意書で照射食品の有用性の定義について「食品衛生行政は飲食に起因する衛生上の危害の発生の防止を目的とするものであることから、御指摘のような基準については定めていない。」と回答しています。(答弁書第八〇号 内閣参質一七一第八〇号 平成二十一年三月十九日)これですと、三菱総研の報告書前文に書いてあることは事実と矛盾してきます。
照射食品反対連絡会から「三菱総研の報告書は推進が前提で調査されているため、論文に記述のないウソまで書くという異常な報告書になっていました。」こうした問題報告書であることから改訂という異例な状態になったと考えられます。受理し、ホームページにアップされ、薬事・食品衛生審議会の委員にも配布され審議に入ることになっていた報告書が再調査というのは前例にないことです。問題はこうした嘘まで記載した会社の報告書で薬事・食品衛生審議会が審議することです。報告書の再提出は来年になる予定です。
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