北海道大学の大学祭での照射食品関連ブース出店について

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2016年9月7日


北海道大学総長
山口 佳三 様

照射食品反対連絡会
代表世話人和田 正江(主婦連合会)
纐纈 美千世(日本消費者連盟)
里見 宏 (食品照射ネットワーク)
久保田 裕子(日本有機農業研究会)


大学祭における照射食品推進団体のブース出店についての質問


 私たち「照射食品反対連絡会」は、放射線を照射した食品を流通させないでほしいとの主旨で活動している市民団体です(生協など53団体と個人)。
 一昨年の「量子放射線利用普及連絡協議会」の第20回会合で、「ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)」という団体が北海道大学の大学祭でブース出店し、照射食品推進の活動をしたと報告しております。(下記に報告抜粋)

   食品衛生法では原則、食品への放射線照射を禁じています。しかし、1972年に発芽防止のためジャガイモの照射が認められ、1974年から北海道士幌町農協でガンマ線照射が始められています。その後、放射線照射に関する多くの問題が起き(和光堂等照射ベビーフード事件、最近では放射線照射粉末青汁事件など)、消費者は受け入れを拒否してきた経緯があります。

 食品への放射線照射には、多方面から問題点が指摘されています。国は「問題ない」としていましたが、根拠にしているデータは40年前のものであり、その後の研究によって照射食品の安全性上の問題は明らかになっています。例えば照射により食品中にシクロブタノン類という化学物質が特異的に生じますが、この物質は発がんを増強することが確認されています。こうした問題の指摘に、厚労省は新たに「今後の方針」として、アルキルシクロブタノン類に関する科学的知見が不足している。照射食品を推進している関係者(原子力委員会など)に情報の収集を要請するとして2項目をあげています。

1.照射食品中のアルキルシクロブタノン類の生成量及びその推定暴露量
2.アルキルシクロブタノン類の毒性(特に、遺伝毒性、発がんプロモーション作用)

   さらに1968年にアメリカ軍兵士が食べさせられていた照射ベーコンの禁止理由データが機密解除され、国立医薬品食品衛生研究所が3年間かけて調査し、「照射した食品から自然放射能の2〜3倍の放射線が出るようになる」などの事実が判明しました(2007年、資料同封)

 これにより、照射食品の誘導放射能が問題として浮上しています。このように、照射食品は食べ物の安全性という面でも多くの問題があり、一般の消費者は、照射食品を受け入れておりません。こうした流れの中で大学祭を使って照射食品の推進活動がされていることは当会にとっても重要な問題となっております。北海道大学は推進派の団体より大学名が挙げられておりますので下記の質問をさせていただきました。東京都市大学からは今年は行う予定はないと連絡を頂きました。東京工業大学からはまだ回答は届いておりません。

質問
1.今年も、大学祭において照射食品推進の団体の参加を認めていますか。
2.参加している場合、どこの部署で誰の責任で許可されていますか。
3.どのような経緯で推進団体が大学祭に参加されることになったかお知らせください。
4.参加した団体はどのような方法で照射食品の情報を提供していましたか。
5.もし照射ジャガイモ配布が行われていた場合、照射ジャガイモの提供先はどこの団体かお知らせください。(士幌町農協に唯一の照射施設があります)
6.大学という権威ある機関が照射食品を推進する団体にブースを提供する理由をお聞かせ下さい。

   お忙しいところ誠に恐れ入りますが、9月20日までに文書または、メールにて下記連絡先にご回答くださいますようお願い申し上げます。
 当連絡会が配布しておりますリーフレットを同封いたしました。

 

[連絡先]
照射食品反対連絡会
106−0032 東京都港区六本木6−8−15 第2五月ビル2F
照射食品反対連絡会事務局
Tel. 03-3402-8841 FAX 03-3402-5590
メール sshrk09@gmail.com

 なお、国立医薬品食品衛生研究所が3年かけたアメリカ軍が誘導放射能のため兵士に照射食品を禁じた実験データをまとめた報告書をご参考までに同封させていただきます。
 「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放射能」)

資料
「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ

1.日 時:2014 年12 月18 日(木) 14:00〜17:30
2.場 所:虎ノ門琴平タワー3 階 会議室
3.出席者(敬称略):

メンバー :勝村座長(東京大学)、三枝(放医研)、大嶋(ONSA)、桑原(原子力文化)、高倉(東北エネ懇)、田中(放射線教育フォーラム)、中村(JAPI)、野村(北陸原懇)、早川(中部原懇)、廣庭(コーガアイソトープ)、二ツ川(RI 協会)、武藤(都産技研)、山田(茨原協)、綿貫(電工会)、上野山(医用財団)、小西(鹿児島大学)、大場(東京工大)、市川(消費者コンサル)オブザーバー :浅田(WEN)、倉(内閣府)原産協会 :佐藤、杉山、津留、坂上

抜粋
・浅田(ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)):当初よりオブザーバーとして参加している。WEN は21 年前に発足した任意団体で現在110 名の会員がいる。昨年から若いメンバーも加わった。活動としては冊子の出版、小中校生や一般の方々と接する機会としてオープンスクール、大学祭へのブース出店を行っている。(北海道大学、東京都市大学、東京工業大学等で開催している。近畿大学・原子力展への参加は2012 年が最終となった。)また、広報ツールとして放射能計算プログラムを開発した。オープンスクール等では年間750〜1,000 名の方々と交流している。

「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ

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