東京工業大学よりの回答と再質問

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秋を迎えて各大学祭で照射ジャガイモの宣伝・配布がされています。東京都市大学と東京工業大学に質問をお願いをしました(8月22日付け)。

 私たち「照射食品反対連絡会」は、放射線を照射した食品の全面禁止を求め、照射ジャガイモは流通させないことを要求して活動している市民団体です(生協など53団体と個人)。
  一昨年の秋のことになりますが、貴校大岡山キャンパスの工大祭において、参加者に対し放射線照射済のジャガイモを無料配布していた、との情報が当会に寄せられました。

 食品衛生法では原則、食品への放射線照射を禁じていますが、1972年に発芽防止のための照射を馬鈴薯に認めてしまいました。1974年から北海道士幌町農協がガンマ線照射ジャガイモの発売を始めましたが、その後、放射線食品照射に関する多くの問題が起き(和光堂等照射ベビーフード事件、最近では放射線照射粉末青汁事件など)、消費者は受け入れを拒否してきた経緯があります。

食品への放射線照射には、多方面から問題点が指摘されています。国は安全性について「問題ない」としていますが、根拠にしているデータは40年前のものであり、その後の研究によって照射食品の安全性上の問題は明らかになっています。例えば照射により食品中にシクロブタノン類という化学物質が特異的に生じますが、この物質は発がん性を増強することが確認されています。

 さらに照射食品を研究開発したアメリカ軍所有データを、機密が解除された後、最近になって厚生労働省の研究機関が3年間かけて調査しており、「照射した食品から2〜3倍の放射線が出るようになる」などの事実や現在においてもそうした誘導放射能問題は課題であることを指摘した報告が出されています(2007年)。このように、照射食品は食べ物の安全性という面でも多くの問題があり、ご承知のことと存じますが、一般の消費者は、照射食品を受け入れておりません。

そこで、貴校の工大祭における放射線照射ジャガイモの無料配布について質問をいたします。

質問
1.本年度の学園祭で照射済ジャガイモ無料配布の予定はありますか。
2.昨年度までは、どのような目的で配布したのかお聞かせください。
3.昨年までの配布は、どのような経緯で実施することになったのですか。
4.放射線照射食品について、貴校の見解をお聞かせください。


  お忙しいところ誠に恐れ入りますが、9月10日までに文書または、メールにて下記連絡先にご回答くださいますようお願い申し上げます。

当連絡会が配布しておりますリーフレットを同封いたしました。



東京都市大学 学生支援センターよりの回答(2016年8月27日)

照射食品反対連絡会事務局御中

お世話になっております。
東京都市大学 学生支援センターの●●と申します。
貴会から本学 学長宛にご依頼のありました「学園祭における放射線照射ジャガイモ配布」につきまして下記のとおり回答致します。

■質問への回答
本件、学園祭の実行・運営を行っている学生団体、本学担当部署等に確認致しました。その結果、
・昨年、そのような企画等は開催していない。
・今年も同企画の開催予定はなく、今後も開催の予定はない。
 以上、宜しくお願いいたします。



再度の質問
東京都市大学の「今後も開催の予定はないという」という回答はありがたいのですが、大学祭での照射食品の啓発活動や照射ジャガイモ配布等についての有無については不明なため再度確認の申し入れを行いました。(2016年9月1日づけ)

  東京都市大学学長 様
学生支援センター担当 様

学生支援センターより、当会の申し入れに早速のご回答ありがとうございました。「昨年、そのような企画等は開催していない。今年も同企画の開催予定はなく、今後も開催の予定はない」とのご回答を頂き当会としてもありがたく思っております。
 しかし、ご回答は「昨年」と限定されております。一昨年の「量子放射線利用普及連絡協議会」の第20回会合で、「ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)」という団体が東京都市大学でブース出店したと報告しております。(第21回会合はまだ公表されていません) 当会の関係者が大学祭で照射ジャガイモの配布を受けており、ご本人より連絡を頂いております。一昨年はブース出店があったと思われます。(下記に添付した報告(抜粋)で出店の報告)

 大学祭という公の場に照射食品を推進する市民団体がブース出店するためにはどのような手続きで誰の許可で出店できたのかご確認いただきたいと思います。
照射食品については問題点も明確になりつつあり、消費者が危惧している問題のひとつでもあります。
貴校のような「原子力安全工学科」という専門学科を持ち社会的な影響力のある大学の場を使っての照射食品や照射ジャガイモの啓発や推進は市民に大きな影響があります。特に情報のない消費者は食品への照射に問題がなく良きものとしてとらえてしまいます。
ぜひ、今後とも照射食品について情報を収集され事実をもとにご判断いただけるようにお願いいたします。
なお、国立医薬品食品衛生研究所が3年かけたアメリカ軍が誘導放射能のため兵士に照射食品を禁じた実験データをまとめた報告書をご参考までに同封させていただきます。(「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放

資料
「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ
1.日 時:2014 年12 月18 日(木) 14:00〜17:30
2.場 所:虎ノ門琴平タワー3 階 会議室
3.出席者(敬称略):
メンバー :勝村座長(東京大学)、三枝(放医研)、大嶋(ONSA)、桑原(原子力文化)、高倉(東北エネ懇)、田中(放射線教育フォーラム)、中村(JAPI)、野村(北陸原懇)、早川(中部原懇)、廣庭(コーガアイソトープ)、二ツ川(RI 協会)、武藤(都産技研)、山田(茨原協)、綿貫(電工会)、上野山(医用財団)、小西(鹿児島大学)、大場(東京工大)、市川(消費者コンサル)オブザーバー :浅田(WEN)、倉(内閣府)原産協会 :佐藤、杉山、津留、坂上

抜粋
・浅田(ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)):当初よりオブザーバーとして参加している。WEN は21 年前に発足した任意団体で現在110 名の会員がいる。昨年から若いメンバーも加わった。活動としては冊子の出版、小中校生や一般の方々と接する機会としてオープンスクール、大学祭へのブース出店を行っている。(北海道大学、東京都市大学、東京工業大学等で開催している。近畿大学・原子力展への参加は2012 年が最終となった。)また、広報ツールとして放射能計算プログラムを開発した。オープンスクール等では年間750〜1,000 名の方々と交流している。

「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ
(2016年9月1日付け)



東京工業大学よりの回答

照射食品反対連絡会 御中

2016年8月22日付貴状「学園祭における放射線照射ジャガイモ配布についての質問とお願い」に関し、工大祭の運営を行う工大祭実行委員会に所属する学生に対して、事実関係を確認いたしました。
工大祭実行委員会によれば、一昨年及び昨年の工大祭において、放射線照射済か否かにかかわらず、同実行委員会としては、ジャガイモを無料配布するイベントや企画は行っておらず、今年度も行う予定はないとのことです。
貴会に対して「参加者に対し放射線照射済のジャガイモを無料配布していた」との情報が寄せられたとの事ですが、この点について事実関係の確認ができませんでしたので御理解願います。以上、御回答申し上げます。

東京工業大学学務部学生支援課


2016年9月12日
再質問

東京工業大学学長
三島 良直 様

照射食品反対連絡会
代表世話人和田 正江(主婦連合会)
纐纈 美千世(日本消費者連盟)
里見 宏 (食品照射ネットワーク)
久保田 裕子(日本有機農業研究会)


学園祭における照射食品推進のブース出店についての再質問とお願い


 学務部学生支援課より早速のご回答ありがとうございました。回答によれば「実行委員会としては、ジャガイモを無料配布するイベントや企画は行っておらず、今年度も行う予定はない。」とあり、実行委員会はジャガイモを無料配布するイベントや企画はしていないこと承知いたしました。

 問題は下記に添付した資料のように外部の団体が工大祭にブース出店したと報告していることです。
 「量子放射線利用普及連絡協議会」の第20回会合で、「ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)」という団体が東京工業大学でブース出店をしたと報告しております。(第21回会合はまだ公表されていません)
 私たちは大学祭という場に照射食品を推進する団体がブース出店するためにはどのような手続きで誰の許可で出店できたのか、また、どの範囲で活動できるかということが知りたく文書を送らせていただきました。ぜひ、このブース出店があったのか事実を確認いただき、お知らせいただきたいのです。

 照射食品については問題点も明確になりつつあり、消費者が危惧している問題のひとつでもあります。
 貴校のような社会的な影響力のある大学の場を使って照射食品や照射ジャガイモの啓発や推進は市民に大きな影響があります。特に情報のない消費者は食品への照射に問題がなく良きものとしてとらえてしまいます。
 ぜひ、今後とも照射食品について情報を収集され事実をもとにご判断いただけるようにお願いいたします。
 なお、国立医薬品食品衛生研究所が3年かけたアメリカ軍が誘導放射能のため兵士に照射食品を禁じた実験データをまとめた報告書をご参考までに同封させていただきます。
 「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放射能」)

[連絡先]
照射食品反対連絡会
106−0032 東京都港区六本木6−8−15 第2五月ビル2F
照射食品反対連絡会事務局
Tel. 03-3402-8841 FAX 03-3402-5590
メール sshrk09@gmail.com

資料
「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ

1.日 時:2014 年12 月18 日(木) 14:00〜17:30
2.場 所:虎ノ門琴平タワー3 階 会議室
3.出席者(敬称略):

メンバー :勝村座長(東京大学)、三枝(放医研)、大嶋(ONSA)、桑原(原子力文化)、高倉(東北エネ懇)、田中(放射線教育フォーラム)、中村(JAPI)、野村(北陸原懇)、早川(中部原懇)、廣庭(コーガアイソトープ)、二ツ川(RI 協会)、武藤(都産技研)、山田(茨原協)、綿貫(電工会)、上野山(医用財団)、小西(鹿児島大学)、大場(東京工大)、市川(消費者コンサル)オブザーバー :浅田(WEN)、倉(内閣府)原産協会 :佐藤、杉山、津留、坂上

抜粋
・浅田(ウイメンズ・エナジー・ネットワーク(WEN)):当初よりオブザーバーとして参加している。WEN は21 年前に発足した任意団体で現在110 名の会員がいる。昨年から若いメンバーも加わった。活動としては冊子の出版、小中校生や一般の方々と接する機会としてオープンスクール、大学祭へのブース出店を行っている。(北海道大学、東京都市大学、東京工業大学等で開催している。近畿大学・原子力展への参加は2012 年が最終となった。)また、広報ツールとして放射能計算プログラムを開発した。オープンスクール等では年間750〜1,000 名の方々と交流している。

「量子放射線利用普及連絡協議会」第20 回会合・議事メモ


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