照射食品反対連絡会 |
代表世話人 | 和田 正江(主婦連合会) |
同 | 飛田 恵理子(東京都地域婦人団体連盟) |
同 | 富山 洋子(日本消費者連盟) |
同 | 里見 宏 (食品照射ネットワーク) |
放射線照射食品の推進停止の申し入れ
このたびの東京電力福島第一原子力発電所の大事故により、広範囲にわたって放射性物質による人および環境への汚染は深刻な事態になっています。しかし、国・東電の情報はあまりにも断片的で、誤りもあり信頼に耐えません。私たち消費者・市民は大きな不安の中で暮らさざるをえない状況になっています。
こうした状況にあるにもかかわらず原子力委員会は新原子力政策大綱の作成を進めています。
前回の原子力政策大綱には放射線利用として「食品照射(照射食品)」の推進が挙げられ、具体的な進め方まで記載されています。
もともと照射食品は原子力を一般市民に身近に感じさせる手段として、1965年から原子力委員会が推進してきた経緯があります。そして、2006年、原子力委員会は厚生労働省に食品への照射について、特にスパイス94品目を優先して解禁するよう要請しました。
しかし、食品への放射線照射は食品衛生法11条により禁止されています。この原子力委員会の解禁要請に厚生労働省は、2010年5月18日、「科学的知見が不足している」「国民との相互理解がない」と審議にかけうる条件が整っていない旨の通知を原子力委員会に送っています。
こうした状況を踏まえ、新大綱策定会議構成員各位におかれましては、照射食品に関する推進記述をやめるよう下記の申し入れをいたします。
申し入れ
1.照射食品の危険性を示すデータがあり、その危険を否定できるデータがない。よって、原子力政策大綱にある食品照射についての記述は削除すること。(p13の「放射線利用」、p40の「各分野における進め方」)
2.食品衛生法11条で食品への放射線照射は禁止されている。法に従い食品への放射線照射の解禁要請を一切やめる旨を明記すること。
3.今後、原子力委員会は照射食品の推進を行わない旨を新原子力政策大綱に明記すること。
以上、申し入れます。
食品への放射線照射の主な問題点
1.照射で2−アルキルシクロブタノン類(発ガン物質)ができる。
2.照射により食品にイオン化が起きる。食品は複雑な成分からなりどのような変化が起きるか調べられていない。また、放射線照射による生成物のすべては同定されておらず、安全を保証するためには毒性試験が必要とされているが30年以上も経つのに毒性実験が行われていない。(FAO/IAEA/WHOテクニカルレポート No604 1977年)
3.照射食品は法の例外を認めてまで認可する必要性がない。
4.照射施設には放射線源があるため、テロの対象となる危険がある。
5.照射しなくても殺菌、殺虫、発芽防止などすでに代替する方法がある。
6.照射ベビーフード事件のような悪用・乱用が起きる。
7.飢え防止、食中毒防止など、これまで言われてきた多くの必要性については根拠が明確でなく、すでに論理的に破綻している。
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