照射食品反対署名を厚生労働省に提出しました

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 09年12月10日、照射食品反対連絡会は「食品に放射線照射することに反対する署名」を7月より集めてまいりましたが、12月9日現在で195,409筆の署名が集まりました。
衆議院第一会館にて署名を厚生労働大臣に提出いたしました。

 1.人の健康を損なうおそれがある。
 2.照射された食品の照射線量・回数を調べる方法(検知法)がない。
 3.管理・監視ができず、悪用・乱用が起きる。
 4.食中毒予防には役立たない。
 5.食品の質を低下させる。
 6.原子力業界など一部の利益のために、食品への放射線照射という原子力の商業利用を認めるべきではない。

署名提出と同時に厚生省、食品安全委員会に下記の内容について申し入れが行われ質疑が行われました。

厚生労働省申し入れ
● 再提出された三菱総研の報告書で審議せず、厚労省が責任をもって審議資料を作るよう申し入れます。
● 照射食品は2-アルキルシクロブタノン類が「人の健康を損なう恐れ」があることから、食品衛生法6条2項による審議を行うよう申し入れます。
● 照射要請がされている94種類のスパイス類については食品衛生法でも「個々について審議すること」が定められていますが、慢性毒性実験、発がん性実験、催奇形性実験など必要とされるデータが整っていません。こうした審議にかける条件を満たしていないものは条件が整うまで審議を凍結してください。

 厚生労働大臣におかれては照射食品が消費者や食品業者からのニーズがほとんどないという事実に基づき、また、安全性にも問題がある照射食品を、食品安全委員会に諮問しないようにしてください。

食品安全委員会への申し入れと質疑

「アルキルシクロブタノン類を指標とした照射食品の安全性解析」についての質問

 食品安全委員会は放射線照射食品の研究として下記の表題の研究に対し1,500万円の予算をつけています。照射食品は厚労省においても薬事・食品衛生審議会に諮るため三菱総研に報告書を作らせていましたが、その誤りが指摘され報告書は三菱総研に返され、改訂されています。
消費者は照射によってできる2-アルキルシクロブタノン類の慢性毒性、発がん性についての実験がないことから、厚労省に実験を行うよう要請してきました。しかし、厚労省は食品安全委員会が行うことになったと消費者団体に説明しております。しかし、食品安全委員会の今回の研究の内容に不明な部分がありますので、下記の質問をいたします。

 「平成21年度新規食品健康影響評価技術研究課題の事前評価結果について」として「アルキルシクロブタノン類を指標とした照射食品の安全性解析」古田雅一(大阪府立大学)平成21年〜23年度(3年間)15,000千円(H21.5.1)が行われることになっています。
食品安全委員会のホームページによればこの研究内容は「食品に放射線を照射した場合、照射に起因する脂肪分解生成物としてアルキルシクロブタノン類が検出される。この物質は、放射線照射の検知に有効な物質として利用できる一方、毒性についての懸念の他、非照射の食品からも微量に検出されるとの報告があり、その毒性や動態について不明な点があるとされている。本研究では、アルキルシクロブタノンに関して、天然および照射食品中の量、照射線量とその生成量の関係を調べる。同時に毒性試験データの再確認とプロモーション活性を含む発がん性の有無等この物質の健康影響に関する科学的知見を収集する。」となっています。

質問
1.この研究は慢性毒性試験、発がん性試験を含んでいるのか。
 ●回答「発がん性試験のみを行うこととしている(長期は行わない)」
2.「毒性試験データの再確認」とはどの毒性試験データを指すのか。
 ●回答「発がんプロモーション試験に関する既存の文献データを指している。」
3.「プロモーション活性を含む発がん性の有無」はどのような方法で行われるのか。
 ●回答「ほ乳動物培養細胞を用いた発ガンプロもショーン試験(in vitro試験)及びラウルらが行ったラットによる発ガンプロモショーター活性試験と同様の試験(in vivo試験)を2−TCBについて行う予定である。」
4.食品安全委員会は独自に照射食品の安全性審議を行う予定はあるのか。
 ●回答「食品安全委員会独自にやれるが、照射食品は厚生省よりの諮問がなければ審議は行わない」

食品安全委員会申し入れ
 消費者団体はこれまでの追試でなく、照射によってできる2-アルキルシクロブタノン類に発がん性があるのか、どのくらいの慢性毒性があるのかという実験を行うよう要望しています。厚労省は食品安全委員会が行うことになったと消費者団体に説明しています。
食品安全委員会のホームページからの情報によれば、この研究からのタイトルと実質内容に大きな違いがあります。自然界には放射線もあることから照射生成物として2-アルキルシクロブタノン類が極微量あるという報告があります。いま改めて確認をしなければならない緊急性はありません。これまで、こうした追試は自然界にもあるということでその毒性を薄めるために使われることが多かったという事例から消費者は心配をしています。消費者は食品安全委員会が無駄な研究に税金を使わないよう申し入れると共に、食品安全委員会が今後照射食品についてどのような方針を持っているのか示されるよう申し入れます。

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