原子力委員会正式報告書作成

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  原子力委員会は十月三日、食品、特に九四種類の香辛料(ハーブやタマネギ、ニンジンまで含む)への放射線照射を解禁するようにという報告書をまとめた。
これが厚労省に認められればカレーからほとんどの加工食品にまで使われ、その後もあらゆる食品に放射線が照射されることになる。

 昨年、原子力委員会は「政策大綱」の中に、照射食品を推進する方針を入れた。
今回、原子力委員会は照射食品が安全だと言う根拠を、IAEA(国際原子力機関)などが八〇年に出した「1万グレイまでの照射は安全とする」という報告書に求めた。
照射食品を推進している委員会で、委員も国の正式代表ではない。
内容も矛盾に満ちている報告で、「照射してできる未知の物質の毒性や揮発成分の毒性などについて調べろ。
二分脊椎という異常を防ぐ葉酸が照射で減るので調べろ」など多くの課題を記しながら、突然最後のページに、根拠も示さず一万グレイまでの食品は安全と書いてある。
世界が照射食品にきびしい目を向けていることから、焦りのあまり、国連機関を利用して作り上げた非科学的な結論である。
「照射すると食味が低下する」と原子力委員会も書いていが、アメリカ航空宇宙局は、宇宙飛行士の食事を照射していたが、照射された食品が特有な照射臭をもち、食欲を落とすとして中止し、ハサップ(HACCP・危害分析重要管理点)を作り出したのは有名な話。
放射線の強いエネルギーのため食品に新しい物質が出来ることがわかっている。
九八年、ドイツ、カールスルーエ連邦栄養研究センターは、照射によりできる、2-ドデシルシクロブタノンをラットに与えると遺伝子(DNA)に傷つけると報告。
その後、フランスのパスツール大学の研究者が強い発ガン増強作用があると報告した。 また、本当に照射したのか調べる検知法がないため、照射線量の上限が決められても、これを検査する方法がない。
照射で利益が出るのは、原子力産業と輸入業者だけ。消費者は望まない照射食品を食べさせられる瀬戸際にたっている。
反対の声を上げてください。

照射食品反対連絡会
新宿区下落合1-3-6-136 
食品照射ネットワーク
03-3364-2937(ファックス)又は
03-3402-8841(大地を守る会内)

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