放射線照射食品 反対の理由

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 私たちが放射線食品照射に反対する主な理由は、下記のとおりです。
 特に誘導放射能に関しては、以前は、照射された食品に「誘導放射能は生じない」と言われてきましたが、厚労省関係の国立医薬品食品衛生研究所の2007年度年報に、アメリカ軍の機密文書が公開されたことにより、誘導放射能の実験データなどが明らかにされ、この問題は未解決であることが指摘されました(「X線並びにγ線を照射した食品に生じる誘導放射能」http://www.nihs.go.jp/library/eikenhoukoku/2007/107-118.pdf)。

 また、放射線照射により発生するシクロブタノン類に、発がん性に関係する発がん促進作用があることも、2002年にフランス・パスツール大学でのラウルらの試験研究でわかりました。
 このような知見を踏まえて厚生労働省は、2010年5月18日、衛生審議会食品規格部会において、(1)食品健康影響評価に必要な科学的知見として、@各照射食品中のアルキルシクロブタノンの生成量及びその推定曝露量、Aアルキルシクロブタノンの毒性(特に遺伝毒性、発ガンプロモーション作用)が不足していること、(2)食品(特に、香辛料)への放射線照射のニーズは、一部にニーズがあるが、有用性が確認されていないこと、消費者の理解が得られることが前提であること、(3)食品への放射線照射に関する消費者の理解は得られていないことを提示し、事実上、原子力委員会からの解禁要請を投げ返しています。

 このような動向や、既存の多くの知見や関連する情報をかんがみて、私たちは食料品に放射線(ガンマ線、電子線など)を照射して芽止め、殺菌・殺虫などを許可することに反対しています。


【食品照射の許可に反対する主な理由】

1.放射線照射食品は人の健康を損なうおそれが高い。
2.放射線照射食品については慢性毒性、発がん性実験、催奇形性実験などの重要なものが行われていない。(重要なデータが不十分)
3.国際機関が10KGyまでの放射線照射は安全とした1980年の報告書は、その後誤りであることがわかった。(照射ベビーフード事件判決で、論理の飛躍が指摘されている)
4. 放射線照射された食品から放射線が出るようになる。(誘導放射能)
5. 照射すると特有な臭いがし、食品の質が低下する。
6. 放射線照射による発芽防止・熟度抑制は、見かけの鮮度だけよくみえる。
7. 放射線照射された食品の照射線量・回数を調べる方法(検知法)がない。
8. 照射したかどうかの検知法も完成されていないので、照射食品を管理・監視できない。
9. 照射前の不衛生な取り扱いも放射線照射で殺菌して隠せるので、照射ベビーフード事件のような悪用・乱用のおそれがある。
10. 放射線食品照射で食中毒を防げるということには根拠がない。
11.スパイスでの食中毒はこれまでに一例も報告がない。(芥子レンコン中毒事件はカラシとは関係がない)
12. 牛の生レバーの食中毒防止のための放射線照射試験研究は、3年以上かけて行われ、実用化はむずかしいことが明らかになっている。
13.放射線照射に頼らなくても、殺菌、殺虫、発芽防止など代替する方法がある。
14. 食品照射で、世界の食料不足や飢えを救えるというのは机上の空論にすぎない。
15. 放射線照射施設が多くできれば、被曝事故が起きる可能性が高くなる。
16.世界の多くの国が放射線照射食品から撤退している。認可する食品は多くても、実際に使用している品目は少ない。(ただし、中国は量も品目も多いようである。)
17.米国で照射ひき肉は消費者に受け入れられなかった。アメリカ、ヨーロッパ諸国、オーストラリア、ニュージーランドなど、世界各国で照射食品に消費者が反対している。
18.日本では照射食品のニーズはほとんどなく、照射を認める緊急性も必要性もない。



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