2000年12月1日
全日本スパイス協会
 小林 博司 理事長殿

香辛料への放射線照射に反対する申し入れ

 11月8日,全日本スパイス協会はいくつかの消費者団体を招いて「食品照射に関する懇談会」を開かれたそうですが,私たち消費者団体には,25年以上前から北海道の士幌農協が行っている照射ジャガイモの販売を停止するよう働きかけてきた歴史がございます。士幌農協,照射推進の研究者,科学技術庁からも私たちの疑問に明確な回答が未だにない状態でございます。
 昨年暮れ,アメリカでは牛肉等への放射線照射が認められ,アメリカの消費者との間でも問題が起きているようです。アメリカが,照射食品を早くから商業ベ−スで始めた日本に対して,ジャガイモ以外への照射を認めるよう,外圧をかけてきている折でもあり,そうした状況の中で貴協会がスパイスへの放射線照射に踏切ると聞き,私たちは驚いております。
 全日本スパイス協会のメンバ−には,私たち消費者にもなじみのある会社から,初めて名前をうかがう会社まで含まれています。こうしたスパイスを扱う会社がこぞって放射線照射をしたいと考えていたとは,まったく信じられないことです。
 照射に踏切る理由として,2005年に燻蒸剤の臭化メチルが使えなくなることと,スパイス1グラム当たりの細菌数を1000個以下にするため。そして,もう一つ,スパイスが原因で食中毒事故が起きてしまってからでは取り返しがつないので,一歩進んで手を打っておくため,だと聞き及んでおりますが,こうした問題の解決に放射線を選ぶことは間違っています。放射線照射は食べる側(消費者)の犠牲の上で行われる解決策であり消費者は賛同できません。
 貴協会の性急な照射認可申請は,日本の照射食品の流れに大きな影響を与えることになります。貴協会の社会的責任は大きいものがあります。私たちはまず申請は一時見合せ,消費者ともっと意見を交わすべきだと考えます。
今月に予定されている申請はやめてください。


安全食品連絡会
食生活改善普及会
東京都地域消費者団体連絡会
所沢生活村
日本消費者連盟
婦人民主クラブ
有害食品追放神奈川県連絡会
オルタ−大阪
NPO法人 北海道有機認証協会
食政策センタ− ビジョン21
全国産直産地リ−ダ協議会
中部よつ葉会
日本消費者連盟関西グル−プ
新潟消費者センタ−
ポラン広場
大地を守る会
神奈川県消費者団体連絡会
食品照射ネットワ−ク
安全な食べ物をつくって食べる会
(12月1日現在で申し入れに賛同できる旨の連絡があった団体です)

                  連絡先:中野区東中野 3-14-5-310
                     食品照射ネットワ−ク(里見 宏) 
                           電話 03-5386-1009
                           FAX  03-3364-2937

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