NHKの「ガッテン」で放映した“ゆすがない歯磨法”の問題点とフッ素の効果について国は根拠を示せなかった

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健康情報研究センター 里見 宏



 2019年5月8日、NHKの番組「ガッテン」でフッ素入り歯磨剤による「新ハミガキ法」が放映された。テーマはフッ素入りハミガキ粉で磨いたあと吐き出し、うがい洗いはせず口腔内に歯磨剤をとどめるというものであった。映像は科学的に証明するかのようなコーティングや玉子の殻を歯に見立てた実験を行なっていた。しかし、その方法が科学を装ったトリック的方法であったことから、問題点が多くその間違いを確認する作業が必要となった。

 この放映でフッ素とそれ以外に多くの化学物質を含むハミガキ粉を飲み込む人が多く出る可能性がある。
 そこで、国会議員の大河原雅子さんに質問主意書を提出してもらった。質問は議長に提出され、7日以内に内閣総理大臣名で答弁書が出される。(国会法第74条)

 答弁書のポイント
●国の答弁は「歯磨剤はゆすいで吐き出すことを前提として製造販売が承認されている」と言うことでした。NHKの「ゆすがない歯磨法」は製造販売の承認と明らかに違い、また紹介の域を超え推奨している番組なので放送法にもふれる可能性が大です。
●歯のエナメル質で「フッ素が水酸基と置換しフルオロアパタイトを作り虫歯を防ぐ根拠データについて」について、国は「データは把握していない」という答弁でした。「フルオロアパタイト説」は根拠となるデータを国は持っていないということです。フッ素行政は根拠となるデータや論文等において行われていますから、把握していないということは重大な答弁です。フッ素洗口も根拠もなくやっていることです。止めることができます。
●虫歯について、国は「エナメル質にう窩が形成されるとその実質欠損が自然に修復されることはなく、う窩は時間の経過とともにその大きさを増す」という答弁でした。虫歯は自然修復がない確認がとれました。ここで、「初期虫歯」がどういうものか問題になります。なぜなら、実質欠損がないと虫歯でないからです。
註:う窩(う蝕(虫歯)によってできた凹型の穴のこと)
●国は「初期虫歯」については回答せず、“初期エナメル質う蝕”は「う窩(実質欠損)の形成がないエナメル質病変」という答弁です。白斑は実質欠損がないので虫歯(う蝕)ではありません。白斑は「エナメル質病変」です。“エナメル質う蝕”は穴がないのでう蝕と書くこと自体が間違いです。言葉を勝手に作り上げているのです。
註:「う蝕」は「虫歯」のこと。(歯質が脱灰されて起こる歯の実質欠損とされる。)
●再石灰化について国は答弁を避けました。定義そのものができていないと考えるのが一般的です。「再石灰化」という歯科の特有な言葉です。医科では再石灰化という言葉は使わない(医学辞典等にもない)。カルシウムなどの沈着は単に石灰化という。臓器で起きる石灰化は場所で胆石と呼ばれたり、膀胱では膀胱結石などと呼ばれる。また動脈で石灰化が起きれば動脈硬化の原因とされます。
もう一つの問題は歯科医の言い回しで、エナメル質の白斑部分だけで再石灰化が起きるかのように説明されることです。歯の白斑だけで石灰化が起きるかのような都合の良い説明がされることが間違です。
●フッ素が再石灰化のとき、どのように作用するか国は回答を避けた。現に、フッ素が入らない歯磨剤も再石灰化が起きると宣伝して販売されている。
 この回答からフッ素の虫歯予防効果は根拠がなくなった。推進する歯磨会社や推進派の執拗にフッ素にしがみつく異常さは奇異に感じます。学校は子どもを犠牲にしないよう対応してください。

 質問主意書も答弁書も大河原さんのホームページで公開されています。また、里見宏のホームページ「健康情報研究センター(SIH)」にもこの原稿を含めフッ素関係の情報が公開されています。また、教育総研の発行する季刊誌『教育と文化』に日養研に間に合うよう読みやすくした原稿が掲載されています。


 「2回目の質問主意書と答弁書とコメント」

●質問1.フッ素入り歯磨き剤は歯面をフッ素がコーティングするとされているが、国はフッ素が歯面をコーティングしていることを確認する実験をしているか。
●質問2.国はフッ素が歯面をコーティングしているという科学的根拠データを持っているか。
●質問3.フッ素による歯面のコーティングで虫歯が予防できるという科学的根拠はあるのか。あるのなら根拠データの出典を示されたい。
◎答弁書1−3までについて
お尋ねの「歯面をコーティング」及び「歯面のコーティング」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見宏コメント1から3について、
フッ素コーティングについて国は統一見解を持っていない。NHKはフッ素に結びつけるためわざわざ鍋やフライパンのフッ素加工で視聴者をコーティングに誘導し、歯の表面もフッ素でコーティングするとし、わざわざ模型で歯面を青っぽいプラスティックで覆い、視覚的にフッ素の働きを連想させていく手の込んだ手法をとっていました。
本当にフッ素が膜のように歯面をコーティングしている模型を作成していますが、この模型で説明したように歯面をフッ素がコーティングしていることを証明した科学的根拠は示されていない。すなら出典も示されたいという質問に意味がわからないと逃げた。これでは説明にもならず、フッ素コーティイングに科学的な根拠がないためと考えられる。

●質問4.歯磨き剤を使った後で口腔内をゆすがないという新しい歯磨き方法を宣伝し販売することは法的に許されているか。
◎答弁書4について
お尋ねの「歯磨き剤」、「宣伝し販売する」及び「法的に許されている」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。なお、医薬部外品である歯磨剤は、歯を磨くことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいではきだすことを行わずに、嚥下することを前提としてその製造販売が行われているものではない。
○里見宏コメント
4について、ゆすいで吐き出さず飲み込むことを前提として製造販売の承認をしていないというので、NHKの放送は間違いを犯しています。問題は間違った情報を流しているので公共放送として訂正と謝罪が必要となります。

●質問5.歯磨き剤を飲み込んだとき安全とする科学的な根拠データ、特に疫学データはあるか。あるなら出典を示されたい。
◎答弁書5について
お尋ねの「歯磨き剤」及び「飲み込んだとき」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見コメント
データがないから国は回答できないと決めつけておくのでしょう。しかし、データがないということはありません。フッ素についても食品安全委員会は厚生労働大臣の諮問に耐容一日摂取量を0.05mg/kg/日と答申しています。ラウリル硫酸ナトリウムは合成洗剤の主成分であり毒性があります。その他の成分も毒性データが有ります。執筆担当者は公務員として議員の質問に正確に回答しないという職務違反です。

●質問6.「ラウリル硫酸ナトリウム」は発泡剤以外で許可されているか。
◎答弁書6について
お尋ねの「許可されている」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見宏コメント
6はラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)で使用している。色素などの汚れを落とす「界面活性剤」にまで拡大してNHKが流したことが誤りです。

●質問7.国立保健医療科学院の統括研究官です安藤雄一氏は「歯科の二大疾患です。う蝕と歯周病は共に不可逆的に進行し、その最終転帰が歯の喪失ですという特徴があります。」と日本疫学会のニュースレターで述べている。虫歯は不可逆的な疾患というのは間違いないか。
◎答弁書7について
お尋ねの「不可逆的な疾患」の意味するところが必ずしも明らかでないが、例えば、特定非営利活動法人日本歯科保存学会が編集した「う蝕治療ガイドライン第2版詳細版」(以下「ガイドライン」という。)において「一般に、初期エナメル質う蝕(白斑)が進行すると、エナメル質の表層に原曲的な崩壊を生じ、いわゆるう窩が形成する。エナメル質にう窩が形成されるとその実質欠損が自然に修復されることはなく、う窩は時間の経過とともにその大きさを増す」と記載されていると承知している。
○里見宏コメント
7は重大な議論で、詰めておく必要があります。現在でも虫歯は不可逆的な疾患とされています。
エナメル質の白斑は初期虫歯と呼ばれ、再石灰化で治癒されるとする説明されている。虫歯が不可逆的疾患なら、白斑を初期虫歯という名称にすることが間違いです。白斑は細菌感染による酸の変性というが、それ以外にも原因があると考えられます。しかも、ここにフッ素が関与するメカニズムが明確になっていません(問10でも聞いた)

●質問8.エナメル質のハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換してフルオロアパタイトになるということを科学的に確認した実験データはあるか。あるならその出典を記されたい。
◎答弁書8及び13について
お尋ねのデータについては、いずれも把握していない。
○里見宏コメント;
8の質問は東京都歯科医師会の編集した冊子より引用したが、「データは把握していない」という回答です。根拠を把握してないという場合は根拠がないことになります。「フルオロアパタイト説」は完全になくなったといえます。あとは業界やフッ素を推進してきた歯科医に間違いを認めさせ、謝罪と間違いの流布を訂正させる運動となります。 「エナメル質のハイドロキシアパタイトの水酸基がフッ素イオンと置換してフルオロアパタイトになる」と、科学を装った説明は犯罪と言える行為です。誤った説明でフッ素は推進されたが、歯科医学が仮説だけで科学的な確認もせず、世界中の人にフッ素の使用を行ってきた誤りはあまりにも罪深いことです。特に、日本ではフッ化水素酸を間違えて使用した死亡事故があり、歯科行政を含めた歯科医師界の責任は重いのです。

●質問9.初期虫歯の定義を記されたい。
◎答弁書9について
お尋ねの「初期虫歯」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、ガイドラインにおいて、「初期エナメル質う蝕は、う蝕進行開始時におけるう窩(実質欠損)の形成がないエナメル質病変、すなわちエナメル質表層の脱灰や表層下脱灰による白斑病・・・です」と記載されていると承知している。
○里見宏コメント;9は7の回答とダブっていますが、初期虫歯についてはエナメル質の白斑病変をう蝕とすることが間違いです。歯の瞬間的な変化を捉え、虫歯と都合よく解釈したと考えるのが妥当です。できるだけ急いで科学的な手技によって病巣かどうか確認する必要があります。
ライオン(株)は初期虫歯を「歯に穴が空いたむし歯になる一歩手前の状態」です。とホームページに記している。穴が開く一歩手前という一瞬を切り出しているが、これは「虫歯」ではないので「初期虫歯」という命名が間違っている。白斑していれば初期虫歯という説明が非科学的で歯科医学の科学性を疑わせる問題です。

註:ライオン(株)は初期虫歯を改変している(ホームページより抜粋)
「初期虫歯の修復を促進するフッ素」と書いてあるが根拠は示されていない。再石灰化を「唾液の中にはカルシウムやリンが含まれていて、溶けてしまった歯の内側に入り込み、元に戻す働きがあります。これを「再石灰化」といいますが、フッ素はこの再石灰化を効率よくする働きがあります。「表面だけ残り内部がスカスカになった初期虫歯は、その状態が続けば、表面が崩れて穴の開いた虫歯になってしまいますが、フッ素によって「再石灰化」を促進し、修復することができるのです」。と書いているが、答弁書には「ガイドラインにおいて、「初期エナメル質う蝕は、う蝕進行開始時におけるう窩(実質欠損)の形成がないエナメル質病変、すなわちエナメル質表層の脱灰や表層下脱灰による白斑病変・・・です」と記載されていると承知している。」というのです。白斑の下に穴がないのに、あるかのように改変し再石灰化による修復を作り上げている。こうして少しずつ書き換えることがフッ素の効果の源泉であったと考えられます。
また、エナメル質の結晶が勝手に修復するかのような説明だが、エナメル質の結晶構造が外からのリンやカルシウムで成長するという証明はありません。
「フッ素は“初期虫歯”を健康な状態に戻すチカラを高めて、ムシ歯を防ぎます。丁寧に歯垢を落とすことに加えて、その再石灰化を促進する「フッ素ケア」がとても大切です。」 フッ素の注釈として「本ページでは、フッ化物、フッ素化合物を「フッ素」と表現しています」と書き消費者はわけがわからなくなっています。フッ素は「健康な状態に戻すチカラを高める」と書いているが、チカラを高めるという抽象的な意味不明な言い回しが詐欺的と言わざるを得ません。国も根拠データがないことを「把握していない」ということで認めざるを得なくなっています。

●質問10.エナメル質の初期齲蝕(白斑)は唾液中に存在する「過飽和」のリン酸イオンとカルシウムイオンが沈着することによって再石灰化を受け元通りに「回復」するというが、フッ素はそのときどの様に作用するかメカニズムを示されたい。
◎答弁書10について
お尋ねの「再石灰化」及び「そのとき」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見宏コメント;
10はフッ素の作用メカニズムについては回答を放棄したと決めつけて良いでしょう。学校でのフッ素洗口ストップに養護教員の役に立つことを期待します。

●質問11.再石灰化と歯石の生成するメカニズムの違いを記されたい。再石灰化するときのエナメル質の結晶はエナメル質の結晶が成長しているのか。それともリン酸カルシウムの結晶がエナメル質に付着しているのか確認したデータがあるなら出典を示されたい。
◎答弁書11について
お尋ねの「再石灰化」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見宏コメント:「再石灰化」の意味がわからない、再石灰化の定義がないから答弁できない。
国はフッ素のメカニズムについて回答できないと決めつけ、学校でフッ素を推進する歯科医に証明を求める運動を拡大するよう養護教員に期待します。

●質問12.初期虫歯を過ぎた虫歯は再石灰化で治癒できないのか。できない理由は何か。
◎答弁書12について
お尋ねの「初期虫歯を過ぎた虫歯」及び「再石灰化で治癒」の意味するところが必ずしも明らかでないが、例えば、ガイドラインにおいて、「エナメル質の初期う蝕が進行し、いったんう窩を形成すると、もはや自然治癒しない」と記載されていると承知している。
○里見宏コメント
もともと、間違っている仮説に質問することが間違いですが、国はガイドラインを使って答弁してきたということはこのガイドラインの間違いを指摘することで誤りが明確になるということです。質問の12、7、9の初期虫歯の「白斑」という現象を解明すれば良い。再石灰化でフッ素の関与についてメカニズムを説明できないから国は回答してこないという判断することになります。

●質問13.フッ化水素のミュータンス菌への殺菌力についてデータを持っているか。すなら0.001ppm、0.01ppm、0.1ppm、0.8ppm,1ppmの殺菌力を記されたい。この濃度がないなら調べられている濃度の殺菌力を記されたい。
◎答弁書13について
お尋ねのデータについては、いずれも把握していない。
○里見宏コメント
13はフッ化水素のミュータンスへの菌殺菌作用について質問したが、「データは把握していない」といいます。念のためフッ化水素による殺菌作用のデータを押さえておくと新しい問題を未然に防ぐことになります。

 「1回目の質問主意書の答弁とそのコメント」
 番組に使われている映像で、フッ素入りハミガキを使うスウエーデンの一家族の事例を紹介し、その後、スウエーデンの虫歯と日本の虫歯をグラフで比較し、スウエーデンで虫歯が少ないのはフッ素と磨き方ですとした。フッ素に結びつけるためわざわざ鍋やフライパンのフッ素加工で視聴者をコーティングに誘導し、歯の表面もフッ素でコーティングするとし、わざわざ模型で視覚的にフッ素の働きを連想させていく手の込んだ手法をとっていた。以下質問する。

●質問1−1、本当にフッ素が膜のように歯面をコーティングしていると模型を作成しているが、この模型で説明したように歯面をフッ素がコーティングしていることを証明した科学的根拠はすか。あるなら出典も示されたい。
◎答弁書1の1及び6について
お尋ねについては、個別の放送番組の内容に関するものですことから、政府としてお答えする立場にはない。
○里見宏コメント;改めて2回目の質問主意書を提出することとしました。

●質問1−2、ある一家族の口をゆすがない事例を紹介し、社会全体に当てはまるかのような放映を行った。口腔内を”ゆすがない”という新しい方法について、フッ素の飲み込みとそれ以外のハミガキ成分を飲み込むが、飲み込んだ時に安全とする科学的な根拠となる論文はすか。すなら出典を示されたい。
◎答弁書1の2について
1の1及び6についてで述べたとおり、お尋ねについては、個別の放送番組の内容に関するものであるから、政府としてお答えする立場にはない。なお、医薬部外品です歯磨剤は、御指摘のフッ素入りのものを含め、歯を磨くことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない。
○里見宏コメント;NHKのゆすがず飲み込むことになる歯磨剤の使用法は許可されている医薬部外品の範疇を超えています。歯磨剤の承認外の使用法で虫歯予防を行うことを、ただ紹介するだけでなく、推奨していることからその責任は重く問題となります。

●質問1−3、日本では食品安全委員会が平成24年12月17日付けで「清涼飲料水中のフッ素の規格基準改正に関わる食品健康影響評価」について答申をしている。この答申はフッ素の耐容一日摂取量を0.05mg/kg体重/日としている。ハミガキ粉に含まれるフッ素の飲み込みによる耐容量はこの基準が適用されるか。適用されない場合、飲み込み量の安全性を確保するための耐容一日摂取量の数値を示されたい。
◎答弁書1の3について
お尋ねの「この基準が適用される」及び「飲み込み量の安全性を確保するための耐容1日摂取量の数値」の意味するところが必ずしも明らかでなく、また、御指摘の「答申」の記述は、飲料水からのフッ素の摂取における耐容1日摂取量について述べられたものであり、医薬部外品です歯磨剤に含まれるフッ素について述べられたものでないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。
○里見宏コメント;食品衛生法では耐容1日摂取量を決めているが、歯磨剤には1,450ppmのフッ素が使用されています。
医薬品は治療薬として、科学的に治療薬となる場合は危険を承知して使うことがあります。歯磨剤のように医薬品と違い化粧品や医薬部外品として承認されている化学物質はマイルドな効果とされるので、医薬部外品の成分は食品衛生法で許容される量を超える場合、害作用を誘引する危険がある場合、食品衛生法の耐容1日摂取許容量を超えることが許されるという科学的な基準と有効性が確認される必要性があります。ここは医薬部外品という法的な欠陥が存在します。国会等で明確にしていく必要があります。

●質問1−4、事例調査は問題の広がりを見ることができるが、フッ素の効果で虫歯が減少するという結論を導くことはできない方法です。こうした事例調査を援用してフッ素による虫歯予防効果があるかのように錯覚させる手法は公共放送として問題ないか。
◎答弁書1の4,1の5,2,3及び5について
お尋ねの「こうした事例調査を援用して・・・錯覚させる手法」、「放送基準」、「推奨量を超える映像」、「この手法」、「視聴者を驚かすトリック的手法」等の意味するところが必ずしも明らかでないが、放送番組は、放送法(昭和25年法律第132号)の規定に従い、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものと考えており、個別の放送番組の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。
○里見宏コメント;映像化する方法が科学的でなく視聴者に間違った効果を植え付けているので放送法に触れると考えられる。専門家を交えて検討する必要があります。

●質問1−5、スウエーデンは水道水フッ素化で裁判まで起こし、裁判所もフッ素の水道水化を止めた国で、フッ素に対しては警戒心がある国のひとつである。しかし、スウエーデンでは誰でもハミガキ粉を飲み込んでいるかのように思わせる放映になっている。こうした放映は放送基準に反していないか。
◎答弁書1の4,1の5,2,3及び5について
お尋ねの「こうした事例調査を援用して・・・錯覚させる手法」、「放送基準」、「推奨量を超える映像」、「この手法」、「視聴者を驚かすトリック的手法」等の意味するところが必ずしも明らかでないが、放送番組は、放送法(昭和25年法律第132号)の規定に従い、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものと考えており、個別の放送番組の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。
○里見宏コメント;NHKが放送した内容はスウエーデンで一般化されていないという情報もあります。スウエーデンで取材された口をゆすがない歯磨法がどのくらい実施されているか確認をとる必要があります。スウエーデン政府に直接問い合わせるか、スウエーデン大使館に問合せる必要があります。

●質問1−6、科学的にフッ素の予防効果は疫学調査で減少してきており、変動が大きく効果が定まっていない。また、フッ素は安全として放映しているがフッ素歯牙症は使用量と近接した量で起きることが判明しており、米国でも問題になっている。ただの紹介から、「口腔内をゆすぐな」と踏み込んだ放映で国民は混乱している。
ハミガキ後「ゆすぐな」という虫歯予防法は国も推奨するものか。もし、これを実行する視聴者がいた場合、国としてはNHKの放映内容をそのまま実行することを推奨しているのか。
◎答弁書1の6,7、及び9について
お尋ねの「推奨する」、「規制している」及び「許している」の意味するところが必ずしも明らかでないが、1の2についてで述べたとおり、医薬部外品です歯磨剤は、御指摘のフッ素入りのものを含め、歯を磨くことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない。
○里見宏コメント;国としても歯磨剤はゆすがず飲み込むものではないとしています。NHKはこの1点でも大きな間違いを放映したことになります。

●質問2.放映にハミガキ会社の研究室で試作された練りハミガキでスタッフが歯を磨く映像が出てくるが、この歯ブラシに着けられた練りハミガキは垂れ下がっておりかなりの量であった。似た形状になるようにして計測した結果3−4グラムであった。この量を見た視聴者は歯ブラシから垂れる状態で良いと、強いインパクトのす映像です。また、ブラシに着けられたハミガキ剤に社員研究者が「多いかな」と発言している。NHKは撮り直すことなく放映した。しかし、最初に出てくるハミガキ粉の量で、視聴者に大きな影響を与えることを承知しているはずです。なぜこのような推奨量を超える映像をそのまま使うことに公共放送として問題はないのか。
◎答弁書1の4,1の5,2,3及び5について
お尋ねの「こうした事例調査を援用して・・・錯覚させる手法」、「放送基準」、「推奨量を超える映像」、「この手法」、「視聴者を驚かすトリック的手法」等の意味するところが必ずしも明らかでないが、放送番組は、放送法(昭和25年法律第132号)の規定に従い、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものと考えており、個別の放送番組の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。
○里見宏コメント;これは公開実験ではっきりさせるという方法もあります。

●質問3.番組後半でハミガキの量を増やしたほうが良いと暗示させるため、一般人の使用量が少ないことを見せ、続けてイエテボリ大学の教授に「ハミガキ粉を2センチ使う。これがとても重要です。虫歯予防に十分な効果が期待できます」と紹介している。
フッ素については効果があるのかどうかが議論となっているので、教授も発言に慎重さをみせ「効果が期待できる」と発言している。NHKの制作職員は巧みに発言を使い分けているが、こうした制作手法は視聴者に間違った判断を起こさせる可能性が高い。公共放送としてこの手法は許される手法か。
◎答弁書1の4,1の5,2,3及び5について
お尋ねの「こうした事例調査を援用して・・・錯覚させる手法」、「放送基準」、「推奨量を超える映像」、「この手法」、「視聴者を驚かすトリック的手法」等の意味するところが必ずしも明らかでないが、放送番組は、放送法(昭和25年法律第132号)の規定に従い、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものと考えており、個別の放送番組の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。
○里見宏コメント;ここも映像化したときの科学的根拠があるか、情報を公開させる必要があります。

●質問4.現在、一般的にハミガキ粉を2センチとしているが、ハミガキにもブラシ部分が長いもの短いもの丸いものなどがある。国は歯みがき粉の長さを2センチと重量でなく長さで指導しているのか。
◎答弁書4について
お尋ねの「指導している」の意味するところが必ずしも明らかでないが、厚生労働省のホームページにおいて、フッ化物配合歯磨剤の「効果的な使用法」における「フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量」は15歳以上の者がフッ化物濃度千ppmの歯磨剤を使用する場合、2センチメートル程度ですと情報提供している。
○里見宏コメント;2cm程度ですと厚生労働省のホームページにあるので、ここは科学的根拠を詰める必要があります。

●質問5.フッ素コーティングという新しい思いつきに、フッ素が本当に歯面でコーティングしているのかを卵の殻にフッ素入りハミガキを塗布した実験がおこなわれている。この実験には時間経過とコントロールとしてのフッ素が添加されていないハミガキ剤およびフッ素だけという比較対象が必要です。しかし、フッ素入りハミガキとただの卵での実験であった。(この実験は小学生の夏休みの宿題で行われるレベル)。こうした実験はNHKの裁量であろうが、実験としての要件を満たしていない。公共放送として、正しく評価できない実験で多くの人にフッ素はコーティング効果があると誇張された情報を流したことは法に触れることはないか。
◎答弁書1の4,1の5,2,3及び5について
お尋ねの「こうした事例調査を援用して・・・錯覚させる手法」、「放送基準」、「推奨量を超える映像」、「この手法」、「視聴者を驚かすトリック的手法」等の意味するところが必ずしも明らかでないが、放送番組は、放送法(昭和25年法律第132号)の規定に従い、放送事業者の自主自律によって編集されるべきものと考えており、個別の放送番組の内容について、政府として見解を述べることは差し控えたい。
○里見宏コメント;卵の殻は炭酸カルシウムを主成分としており、エナメル質のリン酸カルシウムとは違った成分であり、歯の代りに卵の殻を使うこと自体が誤り、誇張した誤った実験です。

●質問5−2、卵の殻を歯に見立てているが、卵の殻は炭酸カルシウムであり、歯のエナメル質はリン酸カルシウムを主成分としている。炭酸カルシウムは酢以外にもレモン果汁などでも簡単に溶ける。歯のエナメル質のような結晶構造を持つ場合は簡単に溶けない。こうした事実があるのに卵の殻を酢で溶かし視聴者を驚かすトリック的手法は公共放送としての裁量の範囲か。法的に問題はないか。
◎答弁書に答弁なし。
○里見宏コメント;答弁がないの、卵の殻は歯の代替にはなりません。

●質問6.放映で、フッ素の危険性については10mgまでは安全としていたが、どこから出された数値か。
◎答弁書1の1及び6について
お尋ねについては、個別の放送番組の内容に関するものですことから、政府としてお答えする立場にはない。
○里見宏コメント;ここは、この数値の根拠を公開させる。3回目の質問主意書を提出する用意をします。
●質問7.放映で12歳以下については「口をすすがない」ということは行わないようにと条件を付記していた。12歳以下という年齢は国が規制しているのか。
◎答弁書1の6,7、及び9について
お尋ねの「推奨する」、「規制している」及び「許している」の意味するところが必ずしも明らかでないが、1の2についてで述べたとおり、医薬部外品です歯磨剤は、御指摘のフッ素入りのものを含め、歯を磨くことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない。
○里見宏コメント;12歳以上に限定している理由を明確にする必要があります。

●質問8.放映で、インプラントのチタンについては「フッ素がインプラントに与える影響についてさまざまな研究があります。心配な方は主治医にご相談ください」とちいさな記述があった。インプラントの人はフッ素についてどのような影響があるのか。
◎答弁書8について
お尋ねの「インプラントの人はフッ素についてどのような影響があるのか」の意味するところが必ずしも明らかでないが、医療機器として承認されている歯科用インプラントについて、フッ素による不具合の発生に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第68条の10の規定に基づく報告は現時点において確認されていない。
○里見宏コメント;「害が報告されていない」という、消極的な姿勢が問題となる。日本の薬害はこうした行政の姿勢が大きな薬害を生み出すことになった。国は事故が表面化すると二度と繰り返さないようにすると反省の弁を述べてきたが具体的な予防法を立案していない。警戒の上にも警戒する必要がある。
インプラント治療を受けた全員の調査を行う必要があります。

●質問9.ハミガキ粉には多くの化学薬剤が配合されており、それを飲み込むことを国は想定していないと考える。しかし、NHKはフッ素を口腔内に維持のためゆすがないことをすすめている。こうなるとハミガキ粉の多種の化学薬剤を飲み込むことになる。国としてはハミガキ剤成分の飲み込みについて許しているのか。
◎答弁書1の6,7、及び9について
お尋ねの「推奨する」、「規制している」及び「許している」の意味するところが必ずしも明らかでないが、1の2についてで述べたとおり、医薬部外品です歯磨剤は、御指摘のフッ素入りのものを含め、歯を磨くことを目的とした口腔用の外用剤であり、口腔内をゆすいで吐き出すことを行わずに嚥下することを前提としてその製造販売の承認が行われているものではない。
○里見宏コメント;国も基本的には飲み込みを認めていません。この問題点はNHKにそれでもゆすがない方法を推奨するのか再確認します。

●質問10.番組中で「ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)」の説明を加えている。「コーヒーや紅茶などを飲んで歯が茶色っぽくなってしまうのは着色汚れです。そういったものを浮かせて落とす力がある」と説明している。
●質問10−1、界面活性剤で洗剤の主成分ですラウリル硫酸ナトリウムは発泡目的で許可されているのか。
●質問10−2、歯の着色成分を浮かして落とすことを目的に添加を認めているのか。
●質問10−3、界面活性剤ですから口腔内の脂肪を落とす目的で許可しているのか。
◎答弁書10について
お尋ねの「許可されている」、「認めている」及び「許可している」の意味するところが明らかでないため、お答えすることは困難である。
○里見宏コメント;洗剤の主要成分であるラウリル硫酸ナトリウムを入れること自体が問題です。多くの消費者に歯磨き剤に添加されている化学物質の危険情報を提供する必要があります。

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