「学校内だけで解決できない健康問題(3)」

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3.「フッ素問題は闘い方を変える必要」


 虫歯が感染症なら感染源や感染経路、潜伏期などを知っておく必要があります。虫歯の原因とされるミュータンス菌の基本的な情報が必要です。しかし、いまだによくわかっていないことが多くあります。どのように感染するか、どのくらいの時間で虫歯を作るのなどわかっていないことがたくさんあります。もっとすごいのは虫歯を作る菌はまだいるのではないかと言われていることです。
「親の口移しで菌が子どもにも感染する」という話は経験的にも説得力がありましたから、3−40年前から保健所なので「口移しをやめましょう」と言ったことが現在の虫歯減少に効いていると思います。この感染を防ぐことで虫歯が減るということはフッ素なんか使わないでも予防できるということです。
ミュータンス菌は思ったより強い菌でなく、日和見的な菌で、潜伏期が長い菌と考えられます。不顕性感染で虫歯を作らない人が多いと思われます。
1981年に発表された実験報告では母親の菌数と子どもへの感染を見たものがあります。唾液1mlに100万個の菌がいると子どもに58%に感染するが、10万個で14.3%、1万個で16%、1,000個以下なら6.8%というものです。ミュータンス菌の感染力は弱いと考えられます。ですから、口移しのような濃厚感染がされなくなれば子どもの虫歯が減ったのは妥当だと思います。後残るのは親からの感染をより少なくすること、まだ分かっていない感染経路を歯科医師は調べることです。それを薬剤など使わなくても防ぐ方法を確立することです。養護教員はそれをもとに子どもに教育ができるわけです。

問題点の整理
1.フッ素が置換してフルオロアパタイトが出来るという説明が主から従に変わっています。それは2006年に明海大歯学部口腔解剖学分野の筧光夫講師らがレーザー光を使ってフッ素処理したラットの歯で実験したところ、フッ素がエナメル質の結晶に入っていないことを確認したからです。フッ素が歯に染み込むことはあっても、結晶構造に置換することはないのです。
 このフルオロアパタイトが出来るという「ウソ」が歯科大学や歯科医師会も根拠データがないにもかかわらず、科学的に確認された事実であるかのように装っていましたから多くの人が騙されてしまいました。
歯科医学界、予防歯科を標榜する歯科医師、学校歯科医はこの誤りを認め、なぜこのようなことが起きたのか原因を明確にし、学校で推進したフッ素で多くの子どもを危険にさらし、保護者や教職員にも多大な混乱と迷惑をかけたことを謝罪すべきなのです。

手順
すこし面倒ですが、教育委員会はフルオロアパタイトができるとしているので、根拠データを提出させてください。でも、出てくるものは根拠データにならないことが分かっていますから、明海大の筧論文を提示し、追試実験を要求してください。大学の工学部、理学部、自治体の研究施設、民間の分析センタなどで分析できますから確認してください。これが科学的に証明できないとフッ素による虫歯予防は根拠がないので停止することになります。それでも継続するなら裁判ということになります。

ヒドロキシアパタイトがフルオロアパタイトになるという嘘が判明
 この実験で明海大歯学部の筧氏は「メディアを通じて宣伝されているような結晶構造中におけるフッ素イオンの置換は認められずフロール化は起こっていない。」また「当時は、結晶構造の変化を直接分析できる高性能な装置は無く、試料中におけるフッ素量増加の分析結果を基に推測したにすぎなかった」それなのに「フロールアパタイトが形成されると多くの研究者に受け入れられて、今日に至っている。」 と虫歯予防の仮説が確認できる時代になっても証明されることなくそのまま信じ込まれて続いていたと報告しました。この実験結果は長いあいだ議論になっていたフッ素による虫歯予防に決着をつけました。
 認めない歯科医師や自治体には筧氏の行った実験を追試させることです。自分たちが依頼した実験で結果がでればそれを事実として受け入れ易くなります。現実問題としてフッ素を推進してきた歯科医も筧氏の実験結果を受け入れざるを得なくなって、また訳のわからない「再石灰化」で虫歯予防すると言い出しています。

デタラメな「再石灰化」に代えてフッ素にしがみつく予防歯科医たち
「フッ素はフルオロ化を起こして虫歯が予防できる」に根拠がないということがわかったら、推進派は「フッ素は唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンと歯に再沈着し、脱灰部分の再石灰化を促進する」という新しいトリックで市民を欺いています。
「石灰化」というのは「石灰沈着」のことです。水にカルシウムが多いとヤカン等にカルシウムが沈着することがあります。身体でも臓器や組織にカルシウムが沈着することがあり、医学では血中のカルシウムが血管や胸膜などでカルシウムが沈着することを石灰化(石灰沈着)と言い「病変」としています。膀胱結石、腎臓結石、血管の詰まったところを調べると石灰化が起きていたなどもおなじです。この石灰化は病気なのです。歯の表面についた歯石はまさに石灰化したもので虫歯の原因と説明されてきました。歯のエナメル質は綺麗な結晶構造を持っていて硬さを保っています。この結晶構造にフッ素が入り込むと言っていたのが嘘だとわかったら、カルシウムが歯に沈着して歯石となって虫歯予防すると言いだしたのです。これが本当なら歯科学は根底からひっくりかえることです。これがおかしいことだと歯科医が知らないはずがありません。嘘で保護者をだましていると言わざるを得ないのです。

資料「石灰化」は医学用語 「再石灰化」は意味不明な用語
「脱灰」「再石灰化」は化学辞典(岩波書店)、医学大辞典(南山堂)にもありません。
歯石(dental calculus=歯の結石)は歯垢が石灰化することで医学として定義され意味が通じます。

質の高い疫学調査でフッ素は骨肉腫を増加
2005年、米国のハーバード大学のE.B.Bassinの研究5)が公開されました。米国ではフッ素の最適濃度を平均1ppmとしています。研究はフッ素が1ppmの30%以下の「低濃度群」、30%〜99%の「中濃度群」グループ、100%以上の「高濃度群」の3群にわけ、フッ素低濃度と比較して中濃度群、高濃度群の骨肉腫が出るリスク(相対危険)を計算したところ、男性ではほとんどすべての年齢における曝露でリスクが増加し、中でも特に6、7、8歳のときにフッ素を摂っていた人は骨肉腫になるリスクが高いのです。95%信頼区間で統計的に有意差があります。フッ素によるリスクのピークは7歳で、7.2倍も骨肉腫になる危険が増えるのです。この疫学調査はフッ素摂取量の正確性と交絡因子(かく乱因子)の排除に時間をかけ、骨肉腫患者と骨肉腫でない人をマッチングさせています。フッ素の摂取量を詳細に調べていることでこれまでの研究と質が違うのです。この研究はフッ素による骨肉腫の危険性を指摘しています。

少量のフッ素でも危険
フッ素はガンや骨肉腫、奇形などの危険が増える危険が指摘されています。最近はフッ素入りハミガキ程度のフッ素でも骨粗しょう症と骨折が増える危険があると報告されています。この研究は富山医科薬科大学(現富山大学医学部)、富山県衛生研究所、中国内蒙古医学院の3年間に及ぶ調査です。(1996年から98年)。
内モンゴル自治区の都市、農村および草原地域に住む中年女性を調査し、モンゴルの女性は乳製品などカルシウムやビタミンDを十分摂っていたが、草原地域の女性達に骨吸収の指標である尿中クロスラップスやハイドロオキシプロリン等が非常に高値を示した。骨吸収の亢進と骨量の減少傾向がみられた。その原因を探るため、尿中成分を調べたところ高濃度のフッ素を検出した。そこで飲料水を調べたところ、フッ素が高いことがわかった。20代の若年女性について調査を行い、その結果、若年女性においても、骨量の減少と骨吸収の亢進が認められ、骨粗鬆症の恐れがあることがわかった。草原地域では、レンガのように固めた「タン茶」を浸出した飲料を常飲しており、飲料水とともに、その浸出液に高濃度のフッ素が含まれていることを見出した。低いフッ素濃度で、骨粗鬆症の恐れがある。体内でカルシウムと結合してフッ化カルシウムになり、体外へ排出され、カルシウム不足になり骨粗鬆症を起こす危険が有る。 日本の老人の栄養状態が良いのに骨粗鬆症になるにはフッ素入りハミガキを使っているためではないかという仮説が重要性を増してきます。

法律・条例を作る予防法は危険(「歯科口腔保健の推進に関する法律」2011年)
この法律の本文にフッ素という用語はないのですが、2012年の厚労大臣告示の付表にフッ素推進を入れることで各自治体が条例によってフッ素の利用拡大を推進させることになったのです。法律があって、むし歯ゼロ作戦というスローガンのもと推進される予防法は大きな危険を持ちます。まず、病気をゼロにしようという発想は歯医者の側からの発想です。根拠が崩壊してもフッ素を続けようとする歯科医師、自治体の責任は重く、責任を追及されるものです。

虫歯は教育(一次予防)で減らす時代に
もめ続けるフッ素による虫歯予防ですが、効果がないという決め手になる実験データが出てきたので情勢が大きく変わりました。問題は推進派が広げたフッ素の間違った効果を正していくことです。時間は少しかかりますが、教育が一番手っ取り早い方法です。学校の力が必要となります。

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