1.「始まってしまった運動器検診は3年の追跡調査で効果判定を」
私の小学校5年の孫が運動器検診で異常とされ整形外科で再検診を受けました。結果は「異常なし」でした。レントゲン写真をもらって見たのですがなぜ異常になったのか理解できません。孫のように全国で過剰な再検診を受けさせられた子どもがたくさんいるはずです。
養護教員はこれまでの経験から運動器検診の必要性をあまり感じていないようです。しかし、現実に始まっているので、検診の効果をきちんと調べる必要があります。その結果をもとに要・不要を判定するのです。
3年の結果を調査すれば効果があるかないかわかります。調査の方法は疫学を専門とする人に相談すると良いと思います。全国からサンプリングすれば偏りのないデータを入手できます。養護教員部が調査項目決めて全国でまとめるのが一番良いでしょう。
運動器検診を行う校医に聞いてみると、ちょっと下衆な話ですが、「運動器検診の裏には62万人に及ぶ整体指圧マッサージなどの免許保持者と、免許のいらない整体やカイロプラクティック、リラクゼーションマッサージなどの集団が整形外科医を圧迫している。」という話でした。そういうこともありそうです。しかし、調べてみると整形外科医は骨や関節に異常を持つ老人や女性を中心に啓発活動してきています。また、老人が増えたので骨や関節のサプリメントが宣伝され大きな市場になっています。
資料
運動器検診は1998年にスウェーデンのルンド大学の「骨と関節の10年2000-2010年」という「運動」で始まりました。WHOが動き日本の整形外科医も「『骨と関節の10年』日本委員会」を発足した(現在は「運動器の10年・日本協会」と改名しています。
鳥取大学の整形外科の調査で学校には1−2割の運動器異常があると推定し「学校における運動器検診体制の整備・充実モデル事業」を展開し、2016年より検診が始まることになったのです。ここに問題があります。
この公益法人には骨や関節の薬、サプリメントなどを作る製薬会社11社がランク分けされて加入しています。学校検診の教育効果が生まれることを期待しているに違いありません。
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