むし歯予防にフッ化物利用の公衆衛生学的評価
健康情報研究センター 里見 宏
要約
歯のハイドロキシアパタイトにフッ素が反応しフルオロアパタイトになりむし歯を予防するとされてきた。しかし、筧光夫らは「顕微ラマン分析装置」でフッ素の置換は認められずフルオロ化は起きていないことを2006年、2014年にフッ素研究会で報告した。その後、この新しい報告に追試や新しい研究は見当たらない。
予防の根拠が崩れても自治体はフッ素利用を続けている。2011年に成立した「歯科口腔保健の推進に関する法律」をもとに条例が作られ、子どもたちにフッ素が公衆衛生事業として実施されている。
そこで、このフッ素利用が公衆衛生事業の条件を満たしているか検討した。
その結果、フルオロ化という根拠が崩壊したことで、フッ素によるむし歯予防は根拠が無い。事実を確認することなく自治体はフッ素利用を続けている。子どもへのフッ素利用は社会防衛の効果もなく公衆衛生事業として成立していない。また、子どもへの健康被害や誤った教育効果を生む危険がある。また、成人になった女性もフッ素入り歯磨き剤で骨粗しょう症の危険がある。特に、フッ素入り歯磨き剤と老人の骨折については緊急に疫学調査が必要である。ただちに停止する必要がある。
(2015年10月のフッ素研究会要約部分の抜粋)
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