日本での骨肉腫とフッ素の関係を調べないと大変だ

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                    フッ素で子どもに骨肉腫、日本も精密な調査が必要

                                    健康情報研究センター代表  里見 宏

フッ素で子どもに骨肉腫、日本も精密な調査が必要

2005年6月、アメリカのマスコミは、ハーバード大学(歯科衛生校)に提出された博士論文で、6、7、8歳でフッ素を含んだ水を多く飲んだ男の子は10代になると骨肉腫になる危険が7倍も高くなるという論文が公開されず隠匿されていたと報道しました。

この論文がスキャンダラスになったのは、この論文がC. ダグラス教授の下で管理されていたが、教授が大手歯磨きメーカーのコルゲート社が出す「口腔ケアレポート」の編集長を務めていたことと、フッ素で骨肉腫が増加するというこの論文を知っていたにもかかわらず、フッ素の水道水が骨肉腫を発症するリスクは「ない」と報告していたからです。この教授に130万ドルの研究費を出していた米国立環境衛生科学研究所(NIEHS)とハーバード大学は情報隠しが行われた可能性があるとして調査に乗り出したのです。

この論文はこれまでの調査と違い骨肉腫になった人のフッ素のとりいれた量を正確にしらべ、患者と似た生活をしている人で骨肉腫になっていない人のフッ素量も調べて、いつ頃フッ素を取り入れると危険になるのかまで調べたのです。

日本での骨肉腫の発生

日本でも学校や幼稚園でフッ素洗口をしたり、家庭でフッ素入り歯磨きを使っています。もしかしたら骨肉腫が増えているかもしれません。さっそく人口動態統計で調べてみました。この統計は死んだ人の死因が記載されています。生きて治療中の人や治った人のことはわかりません。亡くなった人がフッ素を使っていたかもわかりません。

グラフ1は1979年から03年までの25年間に骨肉腫で亡くなった人の年間の平均死亡数です。見ればおわかりになるように、男の方が多い病気です。そして、10代に発病の山(ピーク)がひとつあり、高齢になって発病が増えるという2つのピークを持つ特徴があります。
グラフ2から骨肉腫による死亡数がなだらかに減る傾向を見せています。治療法に手術と化学療法が併用され、5年生存率が60−70%に上がったことが大きく関係しています。ハーバード大学の論文も骨肉腫を20歳以下の人たちに絞って分析をするとフッ素と骨肉腫に統計的な有意さが見られるとしているのですが、日本でも骨肉腫で亡くなった人たちがフッ素を使ったかどうか追跡調査する必要があります。特に、新潟や佐賀などフッ素を使ったところで骨肉腫が増えていないかチェックする必要があります。フッ素は骨肉腫以外にガン全体を増やしているという研究がでてきていますのでこれからより問題は大きくなると思います。

注:虫歯は急激に減少を見せ04年に12歳で1.18本になっています。
2006年6月4日にジャパンマシニスト社から「ちょっと待って!フッ素で虫歯予防」が出ました。





 注:骨肉腫とは

 骨にできる悪性腫瘍で、腫瘍が骨の形状をしているものを骨肉腫といいます。骨にできる肉腫は、骨肉腫のほかに軟骨肉腫、ユーイング肉腫などがあります。

 原因が放射線でできる場合があること以外わかっていません。今回の調査でフッ素が原因物質になる可能性が高くなったのです。遺伝は認められていません。骨が成長する青年期といわれる10代に一番大きいピークがあり、もうひとつのピークが成人になってあります。男が女の約1.5倍から2倍多い病気です。発生場所は7ー8割は膝のまわりに起きます。残りは肩(上腕骨近位)です。腫瘍の中でも少ないもので、アメリカでの発病率は15歳以下で100万人当たり5.6人となっています。5年生存率は手術で約10〜20%、化学療法の併用で約60〜70%とされます。


ハーバード大学院のE.B.バッシン氏の博士論文の概要

 この研究論文はハーバード大学のE.B.バッシン(Elise Beth Bassin)の博士論文です。この論文は100ページを越えるものですが、その一部はインターネットで公開されています。ポール・コネット博士らがこのバッシン論文をレビューした報告書のアドレスも入れておきます。翻訳をしたものはニュースレター75に資料として付いています。

http://www.fluoridealert.org/health/cancer/bassin-2001.pdf(バッシン論文)

http://www.fluoridealert.org/health/cancer/fan-nrc.part1.pdf(コネット論文)

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