天然痘:テロの前に副作用

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天然痘:テロの前に副作用

米政府の奨励にも関わらず、天然痘ワクチンの接種を拒否する病院関係者や医療従事者が増加している。副作用が懸念されるためで、バイオテロリズムの危険性と照らし合わせ、そのリスクには値しないと判断しているようだ。政府は、ワクチン接種プログラムを開始して最初の1ヶ月で45万人への接種を目標にしていたが、実際には1ヶ月が終了する2003年2月末までに接種を受けた人はその1%程度にとどまる模様。接種によって何らかの被害をこうむった場合の賠償を政府が保証するまでは接種を控えるよう勧めている保健関連組織もある。天然痘ワクチンは生ワクチンを使うため、100万人に15〜50人の割合で致命的な重度副作用を引き起こす可能性があるとされ、うち1〜2人は死亡する可能性もあるとされる。ブッシュ政権は2002年12月にワクチン接種キャンペーンを大々的に立ち上げ、軍兵士50万人に対して順次接種を進めているが、これまでに数人で重度の副作用が報告されている。重症例は脳炎が2例、ワクチン接種に関連した心臓感染症が1例、痘疹が2例(うち1例は眼痘疹)などだが、いまのところ全員がその後回復している。このほかにも軽度の副作用として、痘疹、発熱、不快感、かゆみ、高血圧、リンパ節の腫れ、咽頭の腫れ、接種跡の腫れなどが報告されている。テロリズムの危険性が迫っているわけではないので、米政府は一般市民の接種は奨励していないが、テロが起きた際に感染源に接する危険性の高い病院関係者や医療従事者には接種を受けることを奨励している。一方、一般市民の受け取り方は専門的な知識を持った医療従事者とは多少異なるようだ。APが行った調査(1,002人対象)では、天然痘テロを懸念している人は54%(女性がより多い)で、一般市民もワクチン接種が可能になった場合に受けるという人も54%で、さらに10人に6人の親は自分の子供にも受けさせると答えた。(AP 2003/2)

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