家庭用洗剤など米国でも問題に


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排水に流される洗剤や歯磨き粉などが生態系に影響を与えているという研究結果が明らかになっている。消臭剤や避妊用品などの成分も川の水に溶け込んでおり、藻類や魚類などに影響を与えているという。アメリカ地質調査局(USGS)が行った研究調査で、排水処理施設の下流にあたる川(約30州の139ヶ所)で、医薬品やパーソナルケア製品などの成分が検出された。排水処理施設では家庭排水を処理してから川に流しているはずなのだが、化学物質や抗生物質などをすべて除去するのは困難なようだ。一方カンサス州立大学の研究チームは、実際に川に生育する藻類を採取し、排水に含まれるさまざまな物質に暴露させたところ、シプロフロキサシン(尿管感染症などの治療に使われる)と抗菌薬トリクロサン(ニキビ用石鹸や抗菌まな板などに使われる)への暴露では1〜2種の藻類が死滅した。最も影響の大きかった物質は界面活性剤Tergitol(髪染剤や殺精子剤に含まれる)で、半数の藻類種を死滅させ、藻類の全体量を1/4以下にまで減らしてしまった。(Nature 3/28/2003)

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